窃盗罪の公訴時効は何年?起算点や時効の停止についても併せて解説
窃盗罪とは、他人の占有する財物を、暴行・脅迫の手段によらず、占有者の意思に反して窃取することによって成立する犯罪を指します。
本稿では、窃盗罪の公訴時効について、法的な観点から解説します。
ぜひ最後までお読みください。
窃盗罪の公訴時効とは?刑法上の時効との違い
窃盗罪の時効については、大きく分けると刑事上の時効と民事上の時効の2つがあります。
刑事上の時効は一般的に公訴時効をいいます。
公訴時効とは、検察官が被疑者(刑事事件における加害者のこと、俗にいう容疑者)を起訴することができなくなる期間のことをいいます。
起訴されると刑事裁判を受けることとなるため、起訴されないということは有罪判決を受けないこと、つまり前科がつかないこと、となります。
この公訴時効については、刑法上規定された刑罰の法定刑の重さによって期間が変わることになりますが、窃盗罪の場合には窃盗行為が終わった時から7年間とされています。
刑事上の時効としてもう1つ刑の時効というものもあります。
これは公訴時効とは異なり、起訴と刑事裁判を経て、判決によって刑が言い渡された後の場面で問題となります。
刑の時効の効果としては、判決で言い渡された刑が執行されないことになるというものです。
刑の時効の期間は言い渡された刑によって異なるため、公訴時効のように一概に年数として示すことはできません。
また、在宅事件で刑が言い渡された後で逃亡する、仮釈放中に逃亡するなど、極めて例外的な場合に限られます。
民事上の時効としては、犯罪の被害者が、加害者に対して損害の賠償を請求することができる期間のことをいいます。
窃盗事件において、損害とは、加害者が盗んだ物や窃盗行為によって被害者が負った精神的苦痛に対しての慰謝料などがあります。
民事上の時効の期間としては、
・事件の発生から20年間
のどちらか早い方となります。
この期間が経過した後、時効によって請求権が消滅したことを主張すること(時効の援用)で、民事上の損害賠償責任を免れることができます。
公訴時効が停止するケースとは?
次に公訴時効の停止について説明します。
公訴時効とは、上で説明したように、検察官が起訴することができなくなる期間のことであり、原則としてその期間は事件の終了から日々進行していくことになります。
しかし、例外的に公訴時効の停止にあたる事由がある場合には、その期間は時効が進行しなくなります。
この公訴時効の停止にあたる事由としては、被疑者が国外にいる、逃亡や潜伏することで起訴状を送ることなどができなかったこと、が刑事訴訟法で規定されています。
つまり、刑事裁判を受けさせるための書類を送ることができない状態にある期間は、時効が進行しないことになります。
具体的には、窃盗事件の被疑者が1か月間海外に渡航していたという場合には、その公訴時効が成立するためには事件の終了から7年1か月間が必要となります。
刑事事件は二の宮法律事務所におまかせください
刑事事件における時効には、刑事上の時効と民事上の時効の2つの側面があり、その上で時効のスタート時点や効果が異なるなど、非常に複雑な仕組みとなっています。
特に刑事事件の加害者にとって、起訴されなくなり前科がつかないこととなる公訴時効は重要となりますが、その反面として起訴されてしまった場合に量刑面で不利に扱われてしまうなどといったリスクもあります。
そこで、刑事事件の加害者となってしまった場合には、できるだけ早い段階で法律の専門家である弁護士に相談し、対応を相談した方がよいでしょう。
事件発生後すぐに弁護士に相談することで、早い解決につながると言えます。
刑事事件でお悩みの方は、二の宮法律事務所までお気軽にご相談ください。
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Lawyer弁護士紹介
福井弁護士会(登録番号50544)河野 哲(こおの さとる)
官公庁及び上場企業での勤務経験があり、企業勤務時に使命感を抱き弁護士を志した異色の弁護士です。既成概念にとらわれない柔軟な発想と「弁護士はサービス業」というご依頼者様目線の業務を心掛けています。
経歴
- 京都大学水産学科、京都大学ロースクール卒。
- リクルート、京都市役所、日本輸送機(現三菱ロジスネクスト)などでの勤務を経て、2014年弁護士登録。
- 奈良県の法律事務所、福井県のさいわい法律事務所を経て、二の宮法律事務所設立。
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