遺言書の検認が必要なケースとは?注意点も併せて解説
遺言書は、その方式にもよりますが、相続発生後これを発見したとしても、勝手に開封して中身を確認してはならず、検認手続きを経る必要があります。
検認手続きとは、遺言書の中身がどのようなものなのかを家庭裁判所において確認する手続きをいい、ここで初めて遺言書が開封されることにより、遺言内容が勝手に改ざんされることを防ぎます。
これらをふまえ、以下では、遺言書の検認が必要となるケースや、遺言書の検認手続きを行うにあたっての注意点をご説明いたします。
遺言書の検認が必要なケースとは?
遺言書の検認が必要なケースとしては、自分で遺言書を作成した場合(自筆証書遺言)のうち、法務局による遺言書保管制度を利用していない場合、および秘密証書遺言を作成している場合がこれに当たります。
この場合、検認手続きをしないと、検認済証明書が得られず相続手続きができないばかりか、罰則として5万円以下の過料が科せられる可能性もあるため、検認手続きを必ず行う必要があります。
遺言書検認の注意点とは?
遺言書の検認手続きを行うにあたっての注意点としては、やはり前述のように検認手続きが完了するまでは相続手続きを進めることができないという点があげられます。
検認手続きは、申し立てから検認期日が行われるまでの期間としておおむね1か月から2か月程度を要するため、検認手続きを後回しにしてしまうと、そこからさらに一定期間を要し、相続手続き全体の各期限にも影響を及ぼしてしまうこととなります。
そのため、遺言書の検認手続きは早め早めに行うよう準備しておくことが重要です。
また、検認手続きは検認期日に家庭裁判所で行うこととなりますが、遺言書を持参する検認の申立人を除き、相続人はこの期日に出席する義務はありません。
そのため、たとえ申立人以外の相続人が出席できないとしても、期日を変更することなく、早めに検認手続きを済ませることが重要となる場合もあります。
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Lawyer弁護士紹介
福井弁護士会(登録番号50544)河野 哲(こおの さとる)
官公庁及び上場企業での勤務経験があり、企業勤務時に使命感を抱き弁護士を志した異色の弁護士です。既成概念にとらわれない柔軟な発想と「弁護士はサービス業」というご依頼者様目線の業務を心掛けています。
経歴
- 京都大学水産学科、京都大学ロースクール卒。
- リクルート、京都市役所、日本輸送機(現三菱ロジスネクスト)などでの勤務を経て、2014年弁護士登録。
- 奈良県の法律事務所、福井県のさいわい法律事務所を経て、二の宮法律事務所設立。
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